特選写真集(注記無き写真はMAMIとP-5撮影。文:P-5)


外観(南側)

基本的には古典様式の三層構成となっていますが、随所に表現派風の自由な意匠が見られます。
折衷様式とも呼ばれ、これこそ「震災復興期」というごく限られた期間に建てられた建築の特徴であり、建築史上類を見ない貴重な外観といえます。
その魅力的な外観から、マンガに描かれていたり、テレビCM、ドラマなどに登場しています。


では、地下鉄連絡口A11を入った地下から入ってみましょう。

(注記:2006.08.01より、地下商店街は閉鎖されて、立ち入ることができなくなりました。)

地階の階段室

オフィスビルというよりも、百貨店のような階段です。かつては、両側の柱はシャンデリア状の照明器で飾られ、天井の丸い照明もアールデコの意匠のある照明器具がついていました。

階数表示板…というより、階数エンブレムと呼びたくなるような美しい表示です。

階段脇にあった配電箱です。(テナント名は画像処理させていただきました)電話のほか、時計と記されているところにご注目ください。
このビルでは、親子時計(メインの親時計から配線して各子時計に電気信号を送り、時計ごとの誤差がない方式)が搭載されていたようです。親時計にラジオ補正制御が備わっていれば、全館電波時計級の高精度な時刻表示が可能です。現在では国会議事堂や駅舎・庁舎などに残るくらいです。

地下のあるショップにあった天井部分です。かつては地下2階でお湯を作って全館給湯していましたが、給湯ボイラーが廃止されたため、個別給湯となりました。
写真はガス湯沸かし器とその排気設備ですが、その上の天井面にご注目ください。黒い丸穴がたくさんありますが、これは地上の外光を、この地下空間に取り入れるためのガラスレンズ群なのです。

ガラスレンズの拡大です。真っ暗で外光も見えません。ビルの外周に台座のように盛り上がった部分があるのですが、実は周辺の地盤沈下で道路が沈み、元は道路とつらいちだった外周部が盛り上がったようになってしまったのです。この部分に、無数のガラスレンズが埋め込まれていたのですが、管理上、上から灰色の防水塗料が塗り込まれてしまい、このレンズを地上から見ることができなくなりました。

それでは、このビル最大の特徴でもある1階のアーケードに上がってみましょう。


1階アーケード

(注記:現在エレベーターホールと西側アーケードは閉鎖されています。)

2階回廊より撮影したものは、他のサイトに多いのでここでは1階からの風景を載せます。
歩いてみるとわかりますが、空気感まで違って、東京の喧騒を忘れさせてくれますし、靴音の響きも、現在のビルでは味わえないものです。
各アーチ間の12区画の白くなっている天井部分は、新築時は青く塗られており、黄道12宮の天体図が描かれていました。

そのアーチの根本には、このような鳥たちが羽を休めています。かつて丸の内・有楽町地区の古いビルには、様々な動物たちが住んでいました(大阪ビルの豚など)が、もうここだけになってしまいました。


エレベーターホール

同時期のオフィスビルでも類を見ない半円型エレベーターホール。実に人間工学に基づいた設計だと思います。
現在はホールランタン(表示灯)だけですが、かつては各乗り場上部に時計式階数表示器がありました。中央にいるだけで、各エレベータの挙動がわかります。私の近くのショッピングビルでは平面に4基並んでいるため、右往左往を強いられます。

写真ではクリスマス・ツリーが飾られています。あるショップの方から聞いたお話では、かつてクリスマスになるとここで踊りや手品などが披露され、子供から大人まで夢のようなひとときを過ごしたそうです。


1階のショップ

現在、唯一テナントとして営業を続けられている「ニュー・ワールド・サービス」
日本で初めてハンバーガー・ソフトクリーム提供した老舗です。
内装は、開店当初から変わっていません。ぜひあなたも本物のハンバーガーを、ゆったりとした空間で味わってみてください。


店舗ショーウインドウ上部

丁寧に作り込まれた職人芸とでもいいましょうか。上部の格子はステンドグラスです。特殊な工法で制
作されたようで、文化財級の価値があるといえるでしょう。


店舗ドア

ドア下部にある、この真鍮の板はキックプレートというもので、欧米ではドアを靴で押して開けるのだそうです。欧米の文化を採り入れながら、ほとんど傷んでいないプレート。日本ならではです。


以下編集中


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